技術研究 トップページへ NO3 技術研究(6)

バウンドテニスの定石

A・ボレー編

ボレーはポイントを得る最大の武器である。ボレーの上手・下手はゲームの結果に結びつくものと考えてよい。ボレーには立ちボレーと座りボレーおよびハーフボレーがある。

1)         ≪ 立ちボレー ≫

立ちボレーは膝に負担をかけないので選手生命が長いというメリットがある反面決め球としては座りボレーに及ばない。

                          

定石1 ≪ ラケットの握りはイースタングリップ ≫ 

            
写真1
                     写真2






  ラケットの握りはイースタングリップが適しているので、ウエスタングリップの人は握  りを変えるか、手首を前に出すようにしてラケットの面をネット平行になるようにする。

  (写真1)

            

定石2 ≪ ラケットと手首の角度は120度 ≫        写真2

ラケットと手首の角度は120度に保つこと

が面がブレなくするのに大切な要素になる。

(写真1)

ラケットと手首の角度が大きくなると面が作り

難い。(写真2)

定石3 ≪ 体から離れたボールは脇の開閉と肘の曲写真3
げ伸ばしで調節 ≫                  

  体の正面から離れたボールはラケットと手首の 

角度は伸びがちになるので注意を注意要する。

肘間接の曲げ伸ばしで調節する(写真3)

 

 

 

定石4 ≪ アプローチの位置は1,5mを確実に取れる

位置へ ≫                       図1

  アプローチの位置は、レシーブしたボールの 

  着点と自分のコートのベースラインの両角を

  結んだ範囲(約1,5m)のボールが取る。

・・・右利きは少々右寄りが良い・・・

ネット前70cmのところが最適(図1)

 

 

定石5 ≪ 重心は利き足に体重の90% ≫

アプローチした時、体の重心は「利き足に90%」置き、反対足の前後左右の

動きで重心を移しながらボールをラケット中心で捉える。(図1)

●活動の仕方

  @ベースライン上でボールを弾ませストロークしながらアプローチの練習

 Aコーチ(K)は短めのチャンスボールを出し、それをストロークしながらアプローチ&ボレーの練習

    

2)         ≪ 座りボレー ≫

座りボレーは決め球としてのメリットはあるが反面、膝に負担(しゃがみ込んで立ち上る時「体重の6倍」の負荷)をかけるので生涯スポーツとして取り組む方には勧められない。

立ち上がらずそのまま次のプレーをするとか、後ろに転ぶとか、片膝をつくとかすれば負担は軽くなる

 

定石6 ≪ ネットに平行な面作りはウエスタングリップ ≫

  ラケットの握りはウエスタングリップが適しているので、イースタングリップの人は握りを変えるかボールの左に廻り左肩を出しながらボールを充分呼び込んでラケットのヘッドを立ててスマッシュ気味に当てる。

 

定石7 ≪ ラケットはしゃがみ込みながら上から下へ ≫

  しゃがみ込む動作でラケットが移動し力強いボールを生み出すことが出来る。

写真1→写真2

低く構えて下からラケットを出すのはアウトボールに触りやすい。

写真1                 写真2

 

 

定石8 ≪ 体から離れたボールは自動車のワイパーの動きで ≫

  体の正面から離れたボールは肘の上げ下げで調節する。写真3.写真4

写真3                 写真4

 

定石9 ≪ アプローチの位置は1,5mを確実に取れる位置へ ≫

  アプローチの位置は、レシーブしたボールの着点と自分のコートのベースラインの両角を結んだ範囲(約1,5m)のボールが取れるネット前70cmのところ。 定石4と同じ

 

 

定石10 ≪ 膝を着く場合はラケットを持っている方の膝 ≫

アプローチした時、膝を着く場合はラケットを持っている方の膝を突き、反対の方の膝は着かない。守備範囲が広くなり次の動作にも入り易い。写真5

写真5

 

●活動の仕方

 @と

 Aと

    

  

3)≪ハープボレー≫

ハープボレーは直接決め球としてのメリットはないが、次のボレーに繋いだり、ボレーに出ないと見せかけて時間差でボレーに出る場合および「特殊な使い方」(後述)で有効な場面がある。

定石11 ≪ラケットはスライス気味に打つ イースタングリップが適している≫

  ラケットの握りはイースタングリップが適しているので、ウエスタングリップの人は握りを変えてスライス気味に打つ。

体の右に来た場合、ボールの左に廻り左肩を出しながらボールを充分呼び込んでラケットのヘッドを立てて押し出すように当てる。

 写真1                 写真2

 

定石12 ≪走りながらコートの中ほどでラケットのヘッドを立てて打つ≫

  写真1→写真2

写真1                 写真2

 

●活動の仕方

 @と

 Aと

   

  

B・サービス編

サービスによって試合が始まるので、どのようなサービスを入れるかによって試合は左右される。したがってサービスはバウンドテニスで最も重要なものである

1)       ≪サービス病の対策≫

  サービスが入らなくなってバウンドテニスを辞めてしまった人を何人も知っている。そんな人が決まって言う言葉は「練習をしている時は入るのに試合になると途端に入らなくなる」である。

 

 

 定石1 ≪ラケットと手首の角度は120度≫

  ラケットと手首を120度に保つことにより左右のブレがなくなり、安定したサービスが出せるようになる。

定石2 ≪インパクトは体重をかけた前足の真横≫

 回しに体重を掛けることにより体が前に移動して、ラケットが押し出されるように楕円運動をすることになり有効打点に幅が出来る。振る感覚から押し出す感覚で行うと左右にそれなくなる。

定石3 ≪インパクトは体重をかけた前足の真横≫

 インパクトが真横ならばその瞬間を目で確かめられる確実にボールを打つことが出来る。

    その他の対策としては

    最初はコートの中ほどよりサービスを行い、徐々にベースラインに近くで位置し行う。

    ネットを中央から手前に設定してサービスを入れる場所を広くする。

    バックハンドで行う。

2)いろいろなサービスを入れる

 定石4 ≪100%入るサービス≫

サービスで最重要なことは確実に相手コートに入れることである。フォルトすれば相手に1ポイント与えることになるのだから100%入るサービスを身に着けよう。

 定石5 ≪速いサービスにはボールにスピンをかける≫

 定石6 ≪長いサービスには体重移動が欠かせない≫

 定石7 ≪コース狙いはチャンスボールを生む≫

 定石8 ≪ゆるいサービス、短いサービスは相手を慌てさす≫

C・グランドストローク編

1)良いフォーム(フォアハンドストローク)

定石1 ≪ラケットの握りはセミウエスタングリップがお薦め≫

定石2 ≪ラケットは強く握らない≫

定石2 ≪ストライクゾーンで打つ≫

定石3 ≪テイクバックでは体側がネットに平行になるまで捻る≫

    足は2時(前足)20分(軸足)

定石4 ≪膝曲げと体重移動≫

    

定石5 ≪スイングの時、脇を締める≫

    打点までラケットを運ぶ時、脇が開くと面が作り難くボールにスピンがかけ難くなる

定石6 ≪ラケットは振り抜く≫

    フイニッシュの形はテニス型がお薦めで左斜め前間で振りぬくと美しいフォームが出来上がる

2)良いフォーム(バックハンドストローク)

定石7 ≪ティクバックでは体側がネットに平行になるまで捻る≫

    足は10時(軸足)45分(前足)

    利き腕の肘がへその前まで来るようにティクバック

定石8 ≪インパクトの瞬間左半身の回転を止める≫

定石9 ≪スライスはグリップエンドからラケットを振り出す≫

定石10 ≪スライスはフラット気味に当ててダウンスイング≫

3)他の人に無いものを身に着ける

    早いボール、スライスボール、カットボールなど

 

D・応用編 (連続)

 1)≪シングルス≫

定石1 ≪レシーブは相手コート深くへ≫

 定石2 ≪チャンスボールは相手のバックへ≫

 定石3 ≪いろいろなサービスで相手を崩す≫

 定石3 ≪アプローチは1,5mの範囲を守る≫

 定石4 ≪ボレーに出て相手を慌てさせる≫

 定石5 ≪フットワークを生かしてストライクゾーンへ移動≫

 定石6 ≪

 2)≪ダブルス≫

 定石1 ≪レシーブ&ボレーは半分成功すればよい≫

 定石2 ≪ダブルボレーは相手に圧力をかける≫

 定石3 ≪出ないと見せ掛けてボレーに出る・・・忍者ボレーはハーフボレー≫

 


E・緊張感を得ての練習法

定石1 コントロールは蝶々結びラリーから

 ●活動の仕方               

@Aはサービス(クロスに入れる)

ACはストレートに返球

BBはクロスに返球         

CDはストレートに返球(繰り返し)

 

 注1:ストレートに来るべきボールがクロスに来た場合はストレートに返す

 注2:ボールがどこに来ても打つ順序は変えずフットワークで移動して打つ

 注3:AとB、CとDが場所を入れ替わって行うと違う人のボールを受けることが出来る

定石2 1球集中はノーミスラリーから

@ノーミスラリー(シングルス)

Aノーミスラリー(ダブルス)

Bツーミスラリー(シングルス)

Cツーミスラリー(ダブルス)

Dジュースからの実践

定石3 練習が楽しい実践例

@持ち点5よりの加点、減点

A持ち点5よりの減点サバイバル

Bレシーブ&ボレーで相手を倒せば王様

C

 

 

F・試合進行と主審、副審の役割

1)主審の役割

   試合の進行、ファール等の判定とコール、スコア用紙の記入、

2)副審の役割

   サービスの時レシーバーのフットフォルト、ネットプレーの判定とコール

3)試合進行と標準的なコール

試合に先立ち

選手同士の挨拶 審判の自己紹介「主審のOOです、副審の△△です」

選手確認 トスで @サービス SにO印 Aレシーブ RにO印

         Bコートを決める

@シングルス

 第1ゲーム開始

  1:0

  

  3:3

  4:3

  4:4

  6:4

 第2ゲーム開始

 タイブレーク

 最終ゲーム終了

 スコア用紙の確認

第1ゲームのサービス、レシーブを確認し

・「サービスサイド太朗さん プレー」

・「ワンゼロ」とポイントのコール(サービス側よりコール)

 2ポイント差で4ポイント先取で1ゲーム終了

・「ジュース」

・「アドバンテージサーバー」

・「ジュース」

・「ゲーム」

・「サービスサイド次郎さん、ゲームカウント ゼロワン」

・ゲームカウントが4:4になった場合「只今からタイブレークゲーム」

 2点差で5ポイント先取 ポイント4:4,8:8でコートチェンジ

・「ゲーム&マッチ」

・「ゲームカウント5:3で太朗さんの勝ちです」

・署名(勝者、敗者、主審)

Aダブルス

 第1ゲーム開始

 

 第2ゲーム開始

第1ゲームのサーバー、レシーバーを確認し(S R)にO印

・「サービスサイド一郎さん二郎さん組の一郎さん、レシーブサイド

 三郎さん四郎さん組の三郎さん プレー」

第2ゲームのサーバー、レシーバーを確認し(S R)に

・「サービスサイド三郎さん四郎さん組の三郎さん、レシーブサイド

 一郎さん二郎組の二郎さん ゲームカウント ワンゼロ」

・以下シングルスと同じ

 

G・試合に勝つための「10か条」

1)自分の技術面で得意な面を更に磨く

2)練習ではいろいろなタイプの人と打つ

3)武者修行を積極的に行う

4)メディアを使ってフォームを直す

5)1球を大事にする

6)自分の持っている技術のなかで確率の高いものをきちんとプレーする

7)強気(積極的)と無謀(やけくそ)の違いを理解する

8)左手の効用を考える

9)相手のウイークポイントを早く見つける

10)体力をつける

 

H・試合中の「5つの心得」

1)UPを充分に行い最初の1球から全力を注ぐ。1球を大事にする

2)敵を知(対戦相手の試合を観察)。試合前のわずかな練習でも無駄にしない

3)試合の前の小さな駆け引き(ジャンケン、コート選び)

4)一歩先行する。確率の高いものを駆使する(サービス、ボレー、ストローク)

5)開き直って無心になる

 

J・メンタル面を克服する「5つの精神」

1)先行せよ

2)開き直って集中せよ(たかがバウンドテニス)

3)なりふり構うな(されどバウンドテニス)

4)苦しい時は相手も同じ(声を出す、汗を拭く、水を飲む、靴の紐を結びなおす)

5)適度の緊張を楽しむ気分で試合に臨む

 

K・バウンドテニスが上手になる「5つの心」

1)教えることは学ぶこと

2)急がば廻れ

3)用具を大切に

4)影でパートナーの悪口を言うな

5)人の忠告には耳を貸す

 

 練習1(フォアハンドストローク) 図1
   AK・1より手(ボール出しマシーン)で出された易しいボールを正しいスイングで打ち返す
 
    (図1)
           K1   K3     D
       A   F    E
             B,C                

  *1人30球でBCとローテーション 2回ローテションでボール拾いのDEF(ボ ール拾い)と交代
  *練習2以下も同様に行なう

練習2(フォアハンドストローク) 図1        
  AK・2よりラケット(マシーン)で出された易しいボールを正しいスイングで打ち返す         

練習3(フォアハンドストローク) 図1         
  AK・3よりラケット(マシーン)で出された易しいボールを正しいスイングで打ち返す

練習4(バックハンドストローク) 図2              
  AK・1より手(ボール出しマシーン)で出された
  易しいボールを正しいスイングで打ち返す            
    (図2)
       A(B、C)                 D
                      E
                      K1    K3             

練習5(バックハンドストローク) 図2
  AK・2よりラケット(マシーン)で出された易しいボールを正しいスイングで打ち返す          

練習6(バックハンドストローク) 図2
  AK・3よりラケット(マシーン)で出された易しいボールを正しいスイングで打ち返す

練習7(フォア、バック フットワークを使って) 図3  
  AK・2よりラケット(マシーン)で出された易しいボールを正しいスイングで打ち返す
      (図3)
             K1  K3     D
       A        E
             B,C                

練習8(フォア、バック フットワークを使って) 図3
  AK・3よりラケット(マシーン)で出された易しいボールを正しいスイングで打ち返す         

2・【ボレー】シングルス             

練習9 (ワンバウンドさせたボールをボレー)  図4  
  AはP地点でワンバウンドさせたボールを送り、アプローチしてボレー。1球でB,Cとローテション。1人10球程度でE,F、Gと交代 (以下同様)       

    (図4)
                   K1        D
        Ap            E
       (B,C)                                               

練習10 (短いボールをレシーブしてボレー)  図4
  AはKから送られたP地点のボールをレシーブ、アプローチしてボレー。

練習11 (ラリー&ボレー)   図4      
 AはKから送られたボール(叉はKのサービス)をレシーブしK(叉はD)とラリーを1回し、2球目(P地点のボール)をK(叉はD)のバックサイドに送りアプローチしてボレー。                                                        
3・【ボレー】ダブルス

練習12 (ミドルボレー)   図5            
  Kはワンバウンドさせてからボールを送る。AはP地点まで出て(出ながら)ボレー                                           (図5)
                  K         D
       AP K          E
       (B,C)  

練習13 (ダブルボレー)   図6
  Aがレシーブ、Bがボレー 続いてAがボレー。Aのレシーブは相手の弱点へ 長く、強く返球。 Bはボレー後、Aのボレーの邪魔にならないように。
       (図6)
        B        K          D
        AK          E
                             

練習14 (忍者ボレー)    図6
  Aがサービス、Cがレシーブ、Bの返球をDがボレー、Cがダブルボレーに出なかった場合、Aがボールを拾った時、Bはすかさず前に出てボレー(ミドルボレー)
  Dはネットにつめているために、Bのミドルボレーは取り難い。


4・緊張感を維持する練習のいろいろ
 
練習15 (ちょうちょ結びラリー) 図7         (図7)
 人口芝半面を目安に、クロスに来たボールはストレートに返球、ストレートに来たボールはクロスに返球する。

     (図7)
       B        D
       A C
               

練習16 (ツーミスラリー)シングルス 図8 
 ABがラリーを行う。2回失敗した方が審判をしていたCと交代。5人抜きでテイッシュT箱ゲット。

       (図8)
                B
       A 
                  C                
練習17 (ツーミスラリー)ダブルス 図8        
 A、
BCDがラリーを行う。2回失敗した人は審判Eと交代。残りの人の失敗ポイントは0に戻す。
 Eのサービスからラリー戦を再開。                   

練習18 (10本 叉は20本ノーミスラリー)S 図9  
 コーチKAとでラリー。10本ノーミスで合格。 1本ミスで仮合格。それ以外は不合格。
       (図9)
                K
       A 
            (B,C)                
練習19 (10本 叉は20本ノーミスラリー)W 図9
 コーチKABとでラリー。10本ノーミスで合格。1本ミスで仮合格。それ以外は不合格。          


練習20 (ボレーされたボールを拾う)S 図10     
 コーチKはネット際でAにボールを送る。Aはコーチのラケットめがけてストローク。それをコーチがボレー。 そのボレーされたボールをポイントに結びつくように拾う

    (図10)
            K1   
       A  
            (B,C)                

練習21 (ボレーされたボールを拾う)ダブルス 図10   
 練習20でダブルスABに同様に行なう。        


練習22 (5ポイント減点勝負) 図11         
 A、
Bが何でもありの試合形式で(但し、サービスはタイブレーク時の方法で行なう)ポイントの取り合いを行なう。

 5ポイント失った人は審判Cと交代。残った人の失ポイントはCとの対戦でも有効。(ABとの対戦で3ポイント失ったら残り2ポイントでCと戦う)          
    (図11)
                B
       A   
                  C                
練習23 (相手を倒せば(女)王様) 図12       
 Aは仮の王様。Bからサービスを行いチャンスボールの時ボレーに出る。続いてCD、が同様に行なう。
 BCDはサービスを行なう時自分のポイントのカウントを言いながら行なう。 Aに勝利すれば(Tゲーム)王様になりAと交代する。 交代時、他の人のポイントは0に戻す。Aに負ければカウントを0に戻して再挑戦を行なう。           

    (図12)
                 B(C,D)
       A  
                            
練習24 (減点・加点のレシーブ&ボレー) 図13     
 Aは持ち点5を持つ。コーチKのサービスをレシーブ、ラリーしながらチャンス時にボレーをする。失敗すると1点減点、成功すれば1点加点する。10点になると合格、0点になると失格。                    

      (図13)
                K
       A 
             B,C